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乱紋

乱紋〈上〉 (文春文庫)乱紋〈下〉 (文春文庫)
読んでから1ヶ月以上も空いてしまったが、江姫の小説で自宅にあった本というのがこれである。
私のは古くて、今出ているのは新装版。今の方がゴージャス。
家にもともとあった本は叔母が持っていってしまって、今あるのは後で買い直したもの。
初版が79年だけど、最初にあったのが初版だったかどとうかは今となってはわからない。
読んだのは小学生の頃か、中学生の頃か?
小学生でこれを読んだならなかなか早熟(笑)
母が永井路子さんの本を数冊持っていた記憶があるのに今は一冊もないところをみると、全部叔母が持っていったままかもしれない。

大人になってから買い直しただけあって好きな本。
大河ドラマのウソくささにうんざりしてすでに見るのをやめてしまった私としては、この本の方がまだリアリティを感じる。
何より浅野三姉妹が仲が良くないというところがいい。
姉妹で苦労を分かち合い助け合って生きてきた、などという美談はどこにもない。
美しく勝気で高慢な姉達の下にあって、美貌に恵まれなかったばかりか口も動作も重く自分の考えを口にすることが一切ない‘おごう’。
あまりの要領の悪さに侍女のおちかがやきもきしたりヒヤヒヤする場面も多く、長年尽くしてきたおちかでさえ、おごうの本音を知ることはない。
物語の大部分がおちかの目線で語られ、読者でさえおごうの本音を知ることはできないのだ。ここがミソ。
何度も読みたくなってしまう理由のひとつがここではないかと私は思っている。
一見運命に抗うすべを知らず流されるばかりの人物に見えるが、無為のままにのしあがっていくおごうを姉のお茶々は次第に脅威と感じるようになる。
姉妹の幸せを願うこともなく互いの勝ち負けばかりに必死になる姉妹の生き方(おごうは違うのかもしれないが)は不快に感じる人もいるかもしれない。
でも自分と婚家を守るために姉妹を欺き利用し続けるお初のたくましさが私はけっこう好きだ。

娘時代をおごうへの奉公に捧げ、女の幸せを逃してきた侍女おちかの女性としての葛藤が繰り返し描かれる。
女性らしい嫉妬や皮肉も満載でいかにも女性作家の作品らしい作品であるが、品がいいのでそう嫌味ではない。
徳川家におごうが嫁いでからの物語が少し急ぎすぎているように感じるのが少しもったいない。
もっと長い物語でもよかった。

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