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十時半睡事件帖シリーズ


刀―十時半睡事件帖
このところ、また以前読んだ本を読んでいる。
このシリーズは何年か前にNHKでドラマ化され、それを機会に一通り読んだ。・・・つもりだった、当時は。
その後、続巻が出ているのにまったく気がつくことなく忘れ去ったままになっていた。
未読のものに手をつける前に、あらためて最初から読んでいる。

福岡黒田藩の総目付・十時半睡が、泰平の世に起きる武家社会の難問を裁くシリーズ。一度は引退した半睡ではあるが請われて老齢ながら総目付という重職に就いている。
この‘難問’がおもしろい。事件を引き起こす武士たちを現代の会社勤めのサラリーマンになぞらえていて(特に初期の作品にその特徴がある)「こんな人、その辺にいそうだよなぁ」「こんな上司はイヤだな」と苦笑してしまう。
役職や上下関係がわかりやすく設定され、それが物語の大きなポイントになっている。
裁くといっても、そこは人生経験豊かな半睡。白黒はっきりさせればそれで善しとは必ずしも言えないことをよく知っている。清濁併せ呑むと言おうか、時には部下が唖然とするような判断を下すこともある。
そこがいい。

表題作である「刀」は特に好きな作品。
少し悲しくて、最後はなんだかホッとする。
同時収録作品はなぜか下ネタばかりが目につく珍しい巻。

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